2015年春、ヤクザフィクション大好き人間の私は、「六道曼陀羅」というタイトルで念願の極道BL小説を書き上げ、記念に三冊だけ製本しておりました。
そして2015年の9月──山口組の分裂。
そのニュースを見ながら父と交わした世間話をきっかけに、2015年10月、私は自分のホームページで「六道曼陀羅」を改稿しつつ連載を始めました。連載当時のタイトルは「ゴクドウ曼陀羅~鮮血のスティグマ」。その後「閃血のスティグマ」に改題。そして物語の完結を機に、作品名とサイト名を「デビル・クロニクル」と改めました。
私が子供の頃、隣に住んでいた鶴川(仮)さんが家族を養う為にヤクザになったように、ヤクザにはヤクザになった「理由」がきっとあるのではないか(まあ、なんとなく先輩に誘われてって人もいると思いますが)。その「理由」を私はどうしても知りたかった。
暴力団対策法と暴力団排除条例が推し進められているこの時代に、「こんな話書いてどうすんだ」「誰も読んでくれないに決まってる」と自分でも思います。どう考えても異常ですよね。だって世間の常識では「ヤクザ=悪」だし、私自身も二度ほど恐い目に遭っていたし(笑)。
私があまりにもヤクザ関連の資料ばかり集めるので、とうとう家族も反対するようになりました。ヤクザの「ヤ」の字を出すだけで家族はみんな顔をしかめた。
でも、どうしても知りたかったし、書きたかった。
「知りたい病」の発症です。これは悪い病気です。これが発症してしまったら気が済むまで調べ尽くすしかありません……。
生まれた瞬間は無垢だった赤ん坊が、どうしてヤクザになってしまったんだろう?
戦後ヤクザの歴史、ヤクザの生い立ち──そんな意味を込めて「デビル・クロニクル」というタイトルを付けました。
直訳すると「悪魔の年代史」。
ヤクザだけじゃありません。
〝普通〟と呼ばれる人達にも魔が差す瞬間が必ずあると思います。
イジメ、差別、万引き、虐待、嫉妬、浮気──。
魔が差す瞬間は意外と身近にあります。
そんなものも含めての、暗黒官能極道BL小説「デビル・クロニクル」なのです。
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