作者

極道BL小説:イメージ

稲荷矢紘(天野佑海)

稲荷矢紘(イナリ・ヤヒロ)、天野佑海(アマノ・ユウ)名義で
執筆・出版活動を行っております。
関西出身。
大学卒業後、出版社に就職。
月刊誌の創刊と編集に携わり、退職後はフリーランスのDTPデザイナーとして活動。
その後、電子書籍の執筆・編集・制作・出版に取り組み、
2021年現在、葬祭業に従事しております。

極道BL小説:作者自身
著者2歳。故郷にて。


レーベル名
【無頼書院】の意味

無頼(ぶらい)」という言葉には「何にる事く己の力のみで立つ」という意味があります。とは言っても沢山の方に助けてもらいながらの制作です。気概だけでもそう有りたいと思っております。

我が家とヤクザ~私に「デビル・クロニクル~極道縁起」を書かせたもの

きっかけは父の意外な一言

2015年9月、山口組の分裂を報じるテレビのワイドショーを、父と実家で見ていた時のこと。
当時、私はすでに韓流・華流のノワール映画、深作欣二監督の「仁義なき戦い」やVシネマのファンでした。
しかし、それはあくまで「ヤクザフィクション」のファンなのであって、当たり前ですが、リアルヤクザの知り合いなど一人もおりません。
若い頃、二度ほどヤクザ絡みの恐い経験をしたこともあって、知り合いになりたいとも思いません。
テレビのワイドショーを眺めながら、私は軽い気持ちで父に尋ねました。
「へー。山口組分裂したんだ。ねえ、お父さんにヤクザの知り合いなんかいないよね」
私はありきたりな世間話のつもりだったのに、父の答えは吃驚するような内容でした。
「おまえの爺ちゃんの葬式は亀山(仮)さんとこの鶴川(仮)さんが仕切ってくれたぞ」
「え?」
私は驚きました。
亀山(仮)さんは、その地域で一番大きな組の組長だし、鶴川(仮)さんはその組の幹部であり、二次団体の組長です。
ライトながらもヤクザフリークの私にはすぐ分かりました。
(我が家とヤクザに一体どんな関係が?)
父のその一言が、全ての始まりとなったのです。

父は暴力団密接交際者?

私は咄嗟にこう思いました。
(まさか私の父は暴力団密接交際者?)
しかし、父から詳しく話を聞いていくうち、そうでは無いということが次第に明らかになっていきます。

これは、私が生まれるずっと前の話です。
父はとても貧しい家で生まれ育ちました。
貧しい人達が肩を寄せあって暮らすそんな地域です。
その時、隣に住んでいたのが「亀山組」系「鶴川組」組長の「鶴川(仮)さん」でした。
鶴川さんの家は母子家庭でした。
母親と障害のある弟、そして幼い妹を食べさせるため、鶴川さんは「亀山組」のヤクザになりました。
鶴川さん親子と私の祖父母は仲が良く、鶴川さんの妹と同級生だった父は、よく二人で遊んだそうです。
そうこうするうち父と母が結婚し、私が生まれます。
でも私が一歳の時、私をとても可愛がってくれた祖父が病気で亡くなってしまいました。
すると、連絡もしないのに、葬儀屋が我が家に駆けつけたのです。
葬儀屋さんはこう言いました。
「鶴川組長の言いつけで、葬儀の段取りは全てうちがやらせてもらうことになりました」
鶴川さんは、亡くなった私の祖父には普段から世話になっていたから、最期までちゃんと面倒を見てやって欲しい──と、葬儀屋に言ったそうです。
実は、私の祖父は度を越したお人好しでした。
町内の世話役のようなことを勝手にしていたそうです。
当時は貧しくて病院にも行けず、道端でそのままばったり倒れて亡くなる人が多く、祖父はそんな人の遺体を、背負って家まで運んであげました。
また、葬式の最中に火事になった家があれば、火事場の後始末が終わるまで、遺体を自宅で預かるような人でした。
祖母が息子(私の父)の結婚費用にと貯めていたお金を、困っている人達に勝手にあげてしまうようなところもあって、祖父と祖母は喧嘩が絶えませんでした。
そんな旦那さん、私も嫌です(笑)。
鶴川さんは、そんなお人好しな祖父が好きだったのでしょう。祖父の葬儀は、鶴川さんのお陰で盛大に執り行われました。
その後、父の仕事の関係で、我が家は引っ越してしまいます。鶴川さんとの縁は、それっきりになってしまいました。
そんな昔話を聞いているうちに、私はヤクザについて、もっと深く知りたくなっていくのです。

「デビル・クロニクル」というタイトル

山口組が分裂する直前の、2015年春、ヤクザフィクションファンの私は、「六道曼陀羅」というタイトルで中編極道BL小説を書き上げ、記念に3冊製本しておりました。
そして9月、山口組は「六代目山口組」と「神戸山口組」の二つに分裂します。
そのニュースを見ながら父と交わした昔話をきっかけに、その年の10月、私は「蓮華庵」という自分のホームページで「六道曼陀羅」を大幅に改稿しつつ、連載を始めました。
なんとなく、これが私のライフワークになるような気がしました。それほど「書きたい!」という強烈な衝動に駆られていたのです。
私が子供の頃、隣に住んでいた鶴川さんが、家族を養うためにヤクザになったように、ヤクザにはヤクザになるだけの「理由」があるのではないか──その「理由」を、私はどうしても知りたかった。
暴力団対策法と暴力団排除条例が推し進められているこの御時世に、(こんな話を書いてどうするんだ)と自分でも思います(笑)。どう考えてもおかしいでしょう。異常でしょう(笑)。
だって世間の常識では「ヤクザ=犯罪者=悪」なのですから、そんなものに興味を持つことは忌避されて当然であり、嫌悪の対象となり得ます。
だけど私の頭の中は、
(知りたい)
(知りたい)
(知りたい)
すでに「知りたい病」が発症しておりました。
これは悪い病気です。これが発症してしまったら、気が済むまで調べ尽くすしかありません。
私があまりにもヤクザ関連の資料ばかり集めるので、案の定、家族は反対するようになり、ヤクザの「ヤ」の字を出すだけで家族は露骨に顔をしかめるようになり、しまいには口をきいてくれなくなりました(笑)。
それほど私のヤクザの資料集めは常軌を逸していたのです。
しかし私は知りたかった。
ヤクザって何なのか?
彼らはどこから来たのか?
生まれた瞬間は無垢だった赤ん坊が、なぜヤクザ──犯罪者になってしまったのか?
ヤクザの構成員は、30パーセントが日本の伝統的な博徒・アウトロー、30パーセントが在日韓国・朝鮮人、30パーセントが被差別部落出身者だと言われています(宮崎学著『近代ヤクザ肯定論──山口組の90年』より)。
子供は親を選べません。
奈落に生まれた子供は、奈落で生き延びるしかないのです。
連載当時のタイトルは「ゴクドウ曼陀羅~鮮血のスティグマ」。
その後「閃血のスティグマ」に改題。
4年後、物語の完結を機に、作品名とサイト名を「デビル・クロニクル」と改め、2021年2月、さらに「デビル・クロニクル~極道縁起」と改題。
「戦後ヤクザの歴史」「極道の由来」「極道達の生い立ち」──そんな意味が込められています。
直訳すると「悪魔の年代史」。
ヤクザだけではありません。
「普通」と呼ばれる人達にも魔が差す瞬間が必ずあります。
イジメ、差別、万引き、虐待、嫉妬、浮気──戦争。
「普通」と「狂気」は紙一重。
魔が差す瞬間は意外と身近にあるものです。
「デビル・クロニクル」には、カタギでありながらも下衆な外道が大勢登場します。
そんなものをすべてひっくるめての、暗黒官能極道BL小説「デビル・クロニクル」なのです。
全7巻と少々長い旅路となりますが、最後までお付き合い願えましたら幸いです。

稲荷矢紘 こと 天野佑海

デビル・クロニクル LOGO 子供がヤクザになった過程
極道BL小説:ヤクザの葬式

極道の息子たちが恋に落ちた。
血塗られた宿命の悪縁とも知らず──。
真実を知った時、降魔千優の瞳は何色の絶望を映すのか?
読む者を悪夢へと誘う、暗黒官能極道BL。
極道として生き、散っていった男達に捧げる、

哀しくも優しい鎮魂歌。

デビル・クロニクル

amano96296@gmail.com

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